日本ではたまに登山に行くが、海外の山は初めてに等しい。
ヒマラヤのトレッキングというと厳しいイメージがあるが、今回わたしが行ったルートは、初心者でも安心のラクラクコースだ。
今回のルート
ポカラから車でカーレへ(1時間ちょっと)→
カーレからトレッキング開始→
カーレからオーストラリアンキャンプを通りダンプスへ(休憩しながら 3時間弱)→
ダンプス泊→ダンプスから「はなのいえ」のあるアスタムへ(休憩しながら 約3時間半)アスタム泊→
アスタムからは車でポカラへ
カーレからトレッキングスタート。山の朝は予想以上に寒く、保温性のある長袖の上に防寒着としてレインウェアを着て、ニット帽、手袋といういでたちでスタート。
石でできた階段や砂利道を登っていく。最初は少し登りが続く。
ただ、ゆっくり行けばつらいほどの登りではない。ここは景色を見るというよりは村を通っていくような感じだ。途中で薪を運んでいる人々に会ったり、学生に会ったりする。
空気は冷たいが、1時間近く歩くと体もあたたまり、レインウェアは途中で脱いだ。
カーレから1時間半ほど行くと、オーストラリアンキャンプに到着。ここに着くと、いっきに目の前が開け、アンナプルナの山々が現れる。ポカラでは曇りがちでイマイチ山がきれいに見えていなかったので、ここで見た景色はすごくきれいでうれしかった。まだまだ雲は多めだったが、マチャプチャレのてっぺんも出てきてくれた。
マチャプチャレはFish tail と呼ばれ、ピークが2つに分かれていて魚の尻尾のような形をしている。ただ、ポカラからは正面で重なっているのできれいな三角に見え、魚の尻尾は見ることができない。ここオーストラリアンキャンプからははじめてFish tailを見ることができた。
写真を撮ったり、紅茶を飲んでのんびりしていると、寒くなってきて、また服を羽織った。そして、今日の宿泊地ダンプスへ出発。
オーストラリアンキャンプは2100メートルくらいで、ダンプスは1799メートルのあたりにある村なので、ここからは下りだ。緩やかな下りが多く、歩きやすい。1時間もしないでダンプスに到着。
曇っていたので、昼間だったがとても寒く感じた。この寒さでは夜はどうなってしまうかと少々不安。ダンプスの宿泊は「パラダイスビューロッジ」である。家族で経営している素朴なロッジだ。お湯を沸かすために焚き火をしていたので、そこであたたまることができた。食事はローカルな感じでおいしかった。
ただ部屋は本当に寒かった。暖房はもちろんなく、耐え切れずカイロを貼った。
星も見えなかったので、早く眠ってしまえ、と 長袖+ダウン+レインウェア を着込んで、薄っぺらな布団をかぶって寝た。
夜中に目が覚めたので、外を見るとたくさんの星が見えた。これは外に出なければと、部屋の外へ。空一面にたくさんの星が広がっていた。 これだけ星があると、見上げているとふらふらしてくる。少しの間見ているだけで、流れ星もすぐに見つけられた。明日の天気に期待し、また布団へ戻った。
翌朝、日の出くらいの時間に起きて外に出てみると、サウスアンナプルナの山が赤く染まりだしていた。
この日はダンプスからアスタムにある「はなのいえ」へ。ゆっくり歩いて3時間半くらいだった。
「はなのいえ」は約1500メートルなのでのんびり下りだ。
途中には多くの村があり、景色も良く、歩くのが楽しい。
「はなのいえ」はエコリゾートだ。有機野菜を畑でたくさん育てていて、その野菜を使った日本料理を出してくれる。そして五右衛門風呂。ネパールの旅行でのんびりお風呂につかることはなかったので、この五右衛門風呂は本当にうれしかった。
私は1泊だったので、村散策と乳搾りの体験をさせてもらったが、もう少し長く滞在すれば、ろうそくを作ったり、バターを作ったりといろいろな体験ができる。
この日の夜も星はまたまたすごかった。天の川もきれいに見えていた。「はなのいえ」に置いてあった“星座を探そう”といった感じの本(名前は忘れてしまった)を借りて、夜テラスで一生懸命星を眺めてみた。多すぎて星座は分かりづらかったが、けっこう長い時間楽しんだ。
翌朝も美しい朝の山々を見ることができた。
私はカトマンズのような人がたくさんの場所はすぐ疲れてしまってちょっと苦手だけど、こんなにきれいな山があるのなら、またネパールを訪れたい。
次回はやっぱりエベレストを見たいし、もっと本格的にトレッキングもしたい。
この旅で海外のいろいろな山へ行ってみたいと感じた。
2010年12月 加藤明子