中国・貴州省で少数民族に出会う旅~2009年社員旅行<A班>~

中国・貴州省で少数民族に出会う旅~2009年社員旅行<A班>~

貴州省の観測史上一番早く冬がきたと言われる最中、北京から乗継ぎ3時間、私達は貴州省の省都である貴陽に降り立った。日本ではあまりポピュラーではないが、貴州省には多くの少数民族が暮らしていて、今でもその伝統文化を守り続けている。今回の社員旅行では、いくつかの民族を訪ね、その文化を体験してきた。


11月19日
社員旅行2日目、観光の始まりは貴州省のお隣、湖南省にある鳳凰。初日は到着が夜だったので、ろくに景色も見れなかったが、バスで鳳凰へ向かう途中の車窓風景はまるで山水画のようだった。

日本では見られないような、無数に連なるおむすび山、その間を縫うように広がる棚田、そしてこのどんより雲が何より、山水画のような雰囲気をかもし出している。
バスに揺られること約5時間、鳳凰の町に着いた。「鳳凰ってなんか響きがウーロン茶っぽいよねっ」なんてチンプなイメージを抱いていたが、石畳みの町並みや中国一美しいとも言われる古城で有名な歴史ある町だった。ウーロン茶なんて全く関係ない。町並みを抜け現れたのは、ゆったり流れる川とその両岸に並ぶ木造の家々。小船に乗り込みその情緒ある風景を楽しんだ。

川沿いにはところどころ宿もあり、夏にはベストシーズンを迎えるらしい。確かに、この風景を眺めながら、軒先でビールでも飲めたら最高だろうなぁ。今は寒すぎてとてもムリだけど・・・

11月20日
3日目、鳳凰より西江へ。ここへ来てあいにくの雨。山間部だけに気温も1℃前後!手がかじかんでくるし、つま先も感覚がない。だが、この西江の風景はそんなこと忘れさせるくらい素晴らしいものだった。

山ふたつ分くらいにこの地方独特の造りの家が広がり、まるで映画のセットのようだ。ご飯でも作っているのか、家から立ち上る湯気がまた、どこか懐かしさを感じさせる。ガイドさんいわく、年配の日本人がここを訪れると、昔を懐かしむ人が多いというが、確かに日本の昔話に出てきそうで、それでいて日本とはまた違う様式の家々は見ものである。
夕飯は西江村のミャオ族料理だ。この地では昔から塩が貴重でなかなか手に入らなかったのでその分、酸味のきいた料理が多いそうだ。だが、料理を楽しみにしていた私達を待っていたのは、お酒の洗礼だった。

レストラン入口で民族衣装を着た女性が立っている。歌を歌いながら角のような入れ物にお酒を注ぎ、それを飲まないと中に入れない。ただこのお酒、アルコール度数がヒジョ~に高い。まるでウォッカのよう。飲んだ途端に胃の中がカ~っとなっていく。

その後も、ミャオ族の女性にお酒を何杯も飲まされ、夕食後に宴会に突入したA班のメンバーが、次の日グロッキーだったのは言うまでもナイ・・・
11月21日
4日目にして初めての太陽!ようやく、平年並みの暖かさを取り戻したようだ。今日は麻塘(マットウ)村のカッカ族を訪ねた。実は私達のガイドの楊さんもこのカッカ族だという。(カッカ族はその人数があまり多くないため、正式には中国から民族として認定されていないそうだ。) 私達のバスが到着すると、爆竹でお出迎え。

そして村人総出で、楽器や歌で迎えてくれた。ちっちゃな子供からおばあちゃんまで、カッカ族の民族衣装を纏い、いろんな歌や踊りを披露してくれた。

11月22日
いよいよB班との合流☆ A・B合同で長角ミャオ族の村を訪ねた。またしてもここで歓迎のお酒。しかも今までの中で一番といっていいほど強い!!

ここのミャオ族の特徴は頭の形!ミャオ族と一口に言っても、バラエティーは本当に豊かだ。ちっちゃな子供もこの頭をしているのが本当にかわいい!カメラを向けるとハニカミながらポーズを決めてくれる。

歓迎のお酒でテンションの上がっていた私達はかわいい女の子たちの踊りにまるでおっさんのようにやんややんやと騒いでいた・・・

社員旅行最後の夜はB班と一緒に豪華な夕食♪貴州省の名産、芽台(マオタイ)酒という国酒にも指定されているお酒で乾杯。アルコール度数は53度と高いが、お値段の方もなかなかのもの。(500ml入り免税価格日本円で約8,000円)貴州省に来て初めてこの高級なお酒を飲んだが、本当にエタノール(?)のような香りがする。

11月23日
楽しかった社員旅行も終わりを告げ、帰国の途へ・・・。北京での乗り継ぎに時間が空いたので、北京ダックを食べに市内へ向かった。本場の北京ダックは初めてだったのだが、味はもちろん量の多さに驚いた。こんなにおいしいのに残すのがもったいない・・・。

お腹いっぱい幸せいっぱいで天安門広場に向かっている途中、大変なことに気が付いた・・・。さっきのレストランにカメラを忘れてる~っ!取りに戻る時間もない!最後の最後にやってしまった~!!!タクシー代を払ってもってきてもらうにも、残りのお金じゃ全然足りないし・・・。すると、A班の皆さんが残りのお金を少しずつカンパしてくれたのです。おかげで、再び私の手元にカメラが戻ってきた。ガイドさんとA班の皆さんの優しさに感謝です。皆さん、本当にありがとうございます~☆
そんな私の失敗で5泊6日の社員旅行は幕を閉じたのだが、たっぷり貴州省を満喫できた旅であった。貴州省の少数民族はそれぞれに文化や民族衣装、食、生活様式などが異なり、とても奥が深い。政府から民族として認定されていない人々を含め、独自の伝統をいまだに守り続けている彼らを是非、訪ねてみてほしい。さまざまな色彩をもった民族にきっと興味を持っていただけるだろう。
2009年11月 久保井

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