新・旧巨大建造物2大国家 ドバイとエジプト

新・旧巨大建造物2大国家 ドバイとエジプト

4月初旬、ドバイとエジプトに出張にいくこととなった。
どちらとも私にはあまり縁のないと思われた国である。
ドバイってお金持ちの国だし、強くピラミッドに興味があるわけでないし・・・・。


ドバイは最近マスコミでも取り上げられるようになり、観光地として注目が集まっている。サウジアラビアやクウェート、アブタビなどの近隣諸国のオイルマネーが投資先としてドバイに流れ込み急激な発展を遂げさまざまな建造物が立ち並ぶ。7ッ星と評される超豪華ホテルバージュアルアラブ、建設中の世界一の高層ビルブルジュドバイ、雪が降らないドバイの屋内巨大スキー場スキードバイ、またユニバーサルスタジオも建設中で話題に事欠くことがない都市だ。変化し続けるドバイをこの目で確かめたい。
対してエジプトは観光の歴史が長く、古くから人気のある観光地である。誰もが巨大なピラミッドを肉眼でひとめ見てみたいと思っているのではなかろうか。最近では旅行代金も以前と比べ安価なため学生など若い方々の旅行も増えているようだ。
いわば新・旧巨大建造物2大国家の旅行である。
1日目
羽田空港へ向かう。エミレーツ航空は関空と名古屋に夜行の直行便を発着させている。
羽田で日本円をドルにしようと思ったが19時で閉まったようで両替できなかった。
関空で両替できたが乗り継ぎ時間が長くはないので心配な方は出発前に両替していったほうがいいだろう。
エミレーツ航空に初めて乗ったが機材が新しく内装も洒落ていて、ゲームや映画もパーソナルスクリーンで思い存分楽しんだので長いフライトもそれほど退屈せずすごした。
また機内食がこれまでの中で1番おいしかった。機内食は全般的に好きだが全て残さず食べるということは少ない。今回は夕食、朝食どちらも綺麗に平らげた。
2日目(ドバイ)
1時間ばかりディレイして早朝ドバイに到着。白装束につつまれた空港の男性職員や黒装束の女性職員をみるとアラブに来たなーと実感がわく。
現地スタッフの指示を受け車に乗り込み、弊社御用達リビエラホテルにむかう。
リビエラはデイラ地区中心地にありショッピングや観光に便利な立地のシティーホテルだ。
簡単にホテルで朝食を済ませる。日本人客が多いらしく味噌汁に白米が提供されているのがうれしい。日本人スタッフも駐在しているため安心。ビジネスマンや観光メインの方には最適なホテルだが、ホテル滞在を楽しむのであればやはりジュメイラビーチ沿いにあるホテルやドバイにしかないユニークなホテルをオススメしたい。
その後ホテルインスペクションへ。
グランドハイアットドバイ。
まずジャングルさながらのロビーに圧倒。部屋も広め、バスルームも清潔。屋外プール、フィットネスルーム、スパ。またレストランの豊富さも魅力的である。ジャズバーやクラブも併設している。
マディナジュメイラという3つのホテル(ミナサラーム、アルカサル、ダルアルマシャフ)とショッピングモールの複合リゾートに向かう。
アラビア調の角ばった砂色の建物とリゾート中に張り巡らされた水路の風情はまさにイメージ通りの砂漠のオアシスようである。ホテル室内は外観の「古き良き」というよりぐっとモダンなアラビア風である。リゾート全体は渡し舟を使って簡単に行き来が可能。
予算が許すのであれば1泊でも体験したいホテルである。
シェラトンジュメイラビーチホテル。
ジュメイラビーチに面しているだけにビーチ側の部屋の景色は圧巻。果てないアラビア湾を見渡せる。また屋外の広い敷地内にはプライベートビーチやプールがあり大都会ドバイとは思えないほどリラックスした空間である。部屋は広めで清潔。
ジュメイラビーチホテル。
ジュメイラビーチホテルこちらも弊社おすすめの波の形が印象的なホテルだ。広々した室内、海側の部屋の為かベッドがビーチを眺められるよう配置されている。バージュアルアラブが間近に迫る景色はこのホテルのみの特権だ。プライベートビーチ、屋外プールはもちろん、アクアスポーツも豊富に用意されている。次のバージュアルアラブと同じく部屋のコンセプトはなぜか近未来的。
バージュアルアラブ。
噂に聞く7ツ星ホテル!
まず入るのにも厳しいチェックがあり予約をしていないお客は入ることができない。
まさに許される者だけが入ることのできるホテル。内装はまばゆいまでの金が基調で先鋭的なデザインは未来チックである。
すべてスイートルームで1番小さいという部屋でも2階構造になっており一般的な家族住まいのマンションよりも広いという室内。アメニティーはエルメス。ビジネスセンターがない代わりに部屋にノートパソコン完備。一生に一度は泊まってみたいホテルである。
最後はバブアルシャムズ。
バブアルシャムズ市内中心地から1時間。
高層ビル群から一転、砂漠の中に突如現れる高級ホテル。
マディナジュメイラは言わばシティの中に作り上げた想像のリゾートだったがこちらはまさに砂漠に佇むオアシス。少し市内中心より離れてはいるが、本物の砂漠に囲まれたこのホテルはどのホテルにも負けない優雅な雰囲気がある。
ホテル屋外のバーから眺める日没は雰囲気満点でハネムーナーが多いのもうなずける。
レストラン・アルハディーラはまるでお祭りのようで、歌や踊りなどのショーを見ながら食事をすることができるエンターテイメントに溢れたレストランである。
3日目(ドバイ)
14時からデザートサファリの為、それまで市内でぶらぶらする。
しかし、全くお店がやっていない。やっているのはマクドナルドやコーヒーショップ、スーパーマーケットくらい。しかたなく、コーヒーを飲んでホテルへもどる。
後からほかの旅行者に尋ねてみたところ、金曜は夕方までイスラム教の慣例で一部を除いてやっていないのだそうだ。
14時すぎにホテルまで4WD出迎えにくる。
6人のりのランドクルザーで私とドライバー以外はシンガポールからきたビジネスマン(この日は休日なので観光するらしい)とケニアからきた母と娘の4人だった。
市内から1時間弱走ると砂漠に到着。
起伏が多い砂漠を、砂を巻き上げながらダイナミックに走る。(同行していたケニアのお母さんはかなり酔っていた。)
砂漠は植物もほとんど生えておらず、さざなみのような風紋が美しい。
休憩を挟みつつ約2時間はしると、砂漠の中のバーベキュー会場につく。
ケバブが振る舞われ、しばし乗り合わせた人々と歓談。
日が沈むとベリーダンスショーが始まる。かなり刺激的な衣装を着たムチムチのお姉さんが腰を揺らしながら踊る。こんな静かな場所で鼻血がでそうなショーを見るとは思わなかった(しかもかなり間近)。観客の中から数人選びだし一緒に踊らされる。私も選ばれたので、ここは他のお客を白けさせとはならないと思い、下手なダンスを披露した。
ダンスが終わるとビュッフェ形式で食事となる。
その後、乗って来た車で宿泊先のホテルまで送迎してくれ22時前に解散。
4日目(ドバイ→エジプト)
今日でドバイともお別れだ。
空港に行く時間が午後なので少しでもゴールドスークが見たいと思い街にでた。
やはり感じるのは治安の良さ。たむろしている暇そうな出稼ぎのインド人が多いので、少し怖い気もしなくはないが客引きはまったくない(いや一人だけいた。「偽物の時計あるよ!」とわざわざ偽物と言うのだから良心的だ)。海外では珍しい自販機もある。
指定時間前にホテルロビーに到着。しかし指定時間よりも20分すぎても迎えがこない。
ホテルスタッフに現地旅行社に電話してもらい、約20分後に迎えがきた。空港が近いからよかったものの遅れた場合を考えるとヒヤヒヤした。
ドライバーに何故遅れたかきくとホテルに電話したらすでにチェックアウトしてタクシーで行ったとスタッフに言われたそうだ。
ドバイ空港からいざエジプトへ。
エジプトでは入国審査の前にガイドさんが待っていた。すでにエジプトビザを用意しており、手際よく案内してくれる。先に荷物のピックアップをしてくれるので弊社タグをつけていると吉。
カイロ空港からギザ市内への道のりには感動。着いたのが夕方ということもあるが、所々突き出たミナレット、モスクの丸い屋根、古びた民家が立ち並ぶ景観が感動的。まるで古代都市にタイムスリップしたかのようだ。
今回エジプトの宿泊ホテル、カオルドデルタピラミッドにつく。
ホテルのランクとしては4ッ星だそうだが、一般的な3ッ星ホテルと考えたほうがよい。お湯の出も不安定だ。また大通りに面しているため夜中でもうるさい。このホテルのうりはほとんどの部屋からピラミッドが見えること。あのピラミッドが窓からいつでも出迎えてくれる。
夕食をまともに食べてなかったため外にでて食べようとしたが、両替していないことに気付く。他の国であればホテルで両替できるのだが、このホテルでは両替できないらしい。ホテルのレストランもやっていないのでATMでおろすはめに。空港での両替を忘れないように…。
5日目(エジプト)
午前はギザの3大ピラミッド観光。
間近にみるとその大きさに圧倒される。一番下の石さえ人間の高さより大きいのだ。およそ紀元前2500年から現在にいたるまで存在しているのだから驚異的でもある。現代の建物で4500年間存在できる建物がはたしてどれだけあるだろうか。クフ王のピラミッドは19世紀にエッフェル塔にその高さを抜かれるまで世界1の高さを誇っていたという(ディスカバリーチャンネル曰く・・・・)。砂嵐のため、モヤがかっていたのが残念だった。

昼食のあとはカイロ市内観光。ムハンマドアリモスク、ハーンハリーリ市場、考古学博物館にいく。
ムハンマドアリモスクはカイロ市内の建造物のなかでもっとも目を引くモスクだ。内部には高い天井まで描かれており、大きなシャンデリアとそれを中心にランプが円形に並べられている。
ハーンハリーリ市場は観光客用の市場で土産物屋がと所狭しと並ぶ。エジプトの客引きはかなり強引。腕まで引っ張る。値段交渉を楽しむのもいいが、不当な値段で一杯食わされることも。買い物をするときは強気で交渉。向こうが引かなければこちらが店をでる覚悟で(同じような物を売る土産屋は沢山あるので問題なし)。話は逸れるがエジプトのラクダのりやタクシーは要注意。破格の値段で乗せてくれるよう言い寄ってくるが降ろしてくれない悪徳業者がいるとのこと。エジプトではタクシーやラクダは乗らないほうがいい。一周もすると疲れてしまったのでカフェで水タバコを楽しんだ。
考古学博物館には主にピラミッドの内部にあった秘宝が展示されている。やはり見所は黄金に輝くツタンカーメンのマスク。長年の時を経て輝き続けるそのマスクに畏敬の念を感じる。もう一つの見所はミイラ。(ミイラ展示場は別料金100ポンド)驚くべきことはミイラが未だ綺麗に原型を留めていること。この時代にすでに高度なミイラ技術を取得していたのには驚嘆させられる。
所々お土産屋さんを挟み、夕食。
エジプトの食事は毎回ほぼ同じ形。
最初にアエーシェと呼ばれるパンと、それに挟む野菜や豆のペースト、チーズなどが運ばれる。(アエーシェは薄いナン。チャパティーよりもしっかりした歯ごたえがありうまい。なくなるとおかわりを持ってきてくれる)その後メインディッシュが運ばれてくる。大抵メインは魚か肉でフライドポテトとライスが添えられている。
ちなみにビールは30ポンド(約600円)で飲める。エジプト人はイスラム教徒が多いためビールは飲まない。しかし何故かビールメーカーは2社あり、売店でも店員に相談すれば奥から持ってきてくれる。値段はレストランの半額で15ポンドくらい(でも大体言い値は20ポンド)。
6日目(エジプト)
この日はダハシュール、メンフィス、サッカラというカイロ近郊の観光地を訪問。
ダハシュールの赤ピラミッド、屈折ピラミッドをみる。まさに砂漠に建てられているのでギザの3大ピラミッドよりも日本人のイメージに近いかもしれない。赤ピラミッドは中に入ることができる(狭くて少し硫黄に似た臭いがする)。中の構造はまるで機械でつくったかのように精巧だ。
その後メンフィスのラムセス2世の巨像がある遺跡へ。かつてメンフィスは古代エジプトの首都であった場所だ。だが神殿や王宮はすでになくここには残された像があるのみ。
そしてサッカラの階段ピラミッドへ。様々なピラミッドの中でも最も古いピラミッドである。柱廊は綺麗に修復しているので見応えがある。当時のピラミッドコンプレックスの美しさに思いを馳せることが出来る。
その後、お土産屋によって昼食。
午後からはホテル調査。
この日はメナハウスオベロイ、メリディアンピラミッド、インターコンチネンタルピラミッドの3ホテルをみた。
メナハウスオベロイ
メナハウスオベロイピラミッド周辺で一番伝統があるホテル。宮殿だったものを改築したという説明にも納得、金ぴかのホテルロビーやレストランは荘厳な雰囲気。また当然、部屋や中庭、プールからピラミッドが見渡せる。部屋は広めで清潔に保たれている。

メリディアンピラミッド。
メナハウスの伝統には及ばないが、施設の新しさや規模はこちらが勝る。ホテル内にも数多くの売店が入っている。部屋数は少ないが是非ピラミッドビューの部屋に宿泊したい。
インターコンチネンタルピラミッド。
インターコンチネンタルピラミッド建物がやや古い、またどの部屋からもピラミッドが見えないのが珠に傷。部屋は棟ごとに分かれている。部屋は割合大きめ、広いプールが自慢。

7日目(エジプト)
この日でエジプトも最後。
午前中からカイロ市内のホテルインスペクション。
ゾーサルパートナーホテル。
一般的なデラックスホテルのイメージに近い。同等クラスであるインターコンチネンタルよりは清潔、新しいと感じた。プール、一部の部屋にドライヤーあり。ピラミッドは部屋から見えない。
昼食を挟み、シェファードホテル。
となりに近代的な5ッ星ホテルが建ったため、4ッ星に下げられたというかわいそうなホテル。相対評価なの?それ以前にデルタピラミッドホテルとこのホテルが同ランクなのが納得できない。インテリア等凝っていて豪華。ゾーサルパートナールよりも少しランクアップした感じ。一部の部屋にドライヤーあり。
その後空港へ。
エミレーツ利用の場合、荷物は関空まで流れる。関空に着いたら荷物をピックアップして国内線に乗り換え。そして羽田。
今回の旅行での感想。
当然ながら2カ国で8日間は足りなかった。
特にエジプト。強く興味がなかった私でもカイロのピラミッドを見たら、ついでにルクソール、アブシンベル、アスワンも行きたい!と思った。またピラミッド、エジプト史に関する事前予習をしていた方がいいかも。私はエジプト史の文庫本をもっていったがなかなか読み進まず結局最終日に読み終えたので、実際の観光にはそれほど役立たなかった。読むなら旅行前。またディスカバリーチャンネルなどビジュアルで面白く説明しているビデオもたくさん出ているのでそれを見ていくと楽しみが倍増するとおもう(私は帰国してから見ました。)
あと思った以上にチップ文化がある。宗教に裕福な人は貧しい人に施しをするという考え(バクシーシ)があるし、観光立国だから仕方ない。
ドバイを満喫するには悲しいかな、やっぱりお金。だってビーチはアジアにも沢山あるし、特に世界遺産があるわけでなく・・・。そんなドバイに行くならユニークなホテルに泊まりたい。お勧めホテルはバムアルシャムズ。なかなか満室で取れないが、絶対行くだけの価値はある。バージュアルアラブは泊まってみたいが、装飾品が豪華で部屋が広すぎるので私にはそわそわして何も手に付かなくなりそう。
そんなわけで対称的な観光地2国であった。
2008年4月 橋本

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