新婚旅行は日程と予算との戦い!!
新婚旅行でケニアへ…というのは、弊社でも人気のコースである。でも、いざケニアへといっても、まずは行き先とホテルその他オプションなど、色々迷ってしまう。
幸いなことに弊社のスタッフはケニア好きの者が多く、大半がケニア旅行を体験しているので、色々アドバイスを聞くのにはちょうど良い環境である。しかし人によって何処の国立公園が良いとか、どのホテルが良いか意見がバラバラでかえって迷ってしまった…。(もちろん目的によっても内容が変わってくる。)
タイプは大きく分けると2つに分かれる。とことんサファリ!!の移動型プランや、ゆったりバカンスの滞在型だ。しかし予定をたてる段階では、どちらも捨てがたい…。色々なところへ行き様々なサファリを体感するか、行く場所を絞ってホテルをランクアップして優雅に過ごすか、男性的な意見と女性的な意見でも対立し、日程をまとめるには一苦労であった。アレも見たいコレも見たいと欲張りになり、最後は予算との戦いであった。
意見が平行線をたどる中、弊社のスタッフが「せっかくの新婚旅行だからバルーン・サファリがオススメ!」と予算もギリギリなのに誘惑の声が…。また、「途中ドバイ(UAE)も乗り継ぐので、ドバイで延泊すればお買い物や砂漠も楽しめるよ~」と、まるで迷わせて楽しんでいるかのような声が色々入ってきた。
まぁ、なんだかんだ迷って日程を決めていくのも旅行の楽しみのひとつであるが、いったい何度日程を巡って夫婦ゲンカしただろう…。結局、お互いの妥協点を探りつつ、予算もギリギリで日程が決まったのであった。(やはり旅行経験者のアドバイスが役にたつ。是非、お客様にも日程を決める段階で、夫婦ゲンカする前にお問い合わせいただきたいと思った。)
日程は、ナクル湖国立公園(1泊)・スィートウォーター動物保護区(1泊)・マサイマラ動物保護区(3泊)・ナイロビ(日帰り)・ドバイ(2泊)となった。
マサイマラではムパタクラブに宿泊。(思い切ってプラス代金でスイートルームに…。)また、オプショナルで「バルーン・サファリ」、ドバイでは「砂漠サファリとバーベキューディナー」も弊社スタッフの「新婚旅行にオススメ」という言葉どおり付けてみた。(ちなみに弊社のコース【6L901】を航空会社とホテル、ドバイ延泊でアレンジした内容である。)
また、他にも木の上サファリが楽しめる「アバーディア国立公園」やキリマンジェロが展望できる「アンボセリ国立公園」、またホームステイや、最近世界遺産に登録された「ラム島」など、色々候補はあった。(こちらは弊社のホームページの「旅の悪戯」でもすでに紹介済みなので、ご参照下さい。)
なんだかんだで、いざ出発!!
強行日程、ナイロビ到着 そのままナクル湖へ
美しき「フラミンゴ」と対面
今回、利用した航空会社はキャセイパシフィック航空(成田→香港乗継ぎ→ドバイ)、ケニア航空(ドバイ→ナイロビ)である。
成田10:00発<日本時間>→ナイロビ翌05:20着<現地時間>と、丸1日の移動であった。
本来ならばナイロビで1泊してのんびり疲れを取り、翌日ナクル湖へ移動するのが好ましいのだが、強行でナイロビからそのまま車でナクル湖へ移動。
ナイロビに到着し、空港の出口で現地ガイドさんが笑顔でお出迎え、挨拶を交わしいざナクル湖へ。
眠い目をこすりながら、4時間程車に揺られることに。当初は車で眠れると考えていたが、考えが甘かった…。ナイロビから郊外に進むにつれ、ガタガタ道で車が大きく揺れとてもゆっくり眠れる雰囲気ではない。(ずっと飛行機の中で映画を見ていたのに後悔した。)
やはり道路事情も走っている車も日本とは大違い!!どう見ても定員オーバーだと思うほど人を敷き詰め、煙をムンムンと撒き散らして走る車や、荷物が落っこちそうなくらいパンパンにふくれあがったトラックが走っており、アスファルトの道路は穴だらけ、煙たいのと揺れを我慢しながら車は走り続ける。乗り物に馴れていない人は酔い止め薬も必要かと思う。
とはいっても、途中休憩スポット(お土産屋)に立ち寄ったり、景色の良い所で休憩をとったりと気分に応じてガイドさんが気を使ってくれるので比較的安心して移動ができた。
朝から何度か休憩を挟み、車で走り続けてナクル湖へ付いたのは午後の2時過ぎ、(もう、かれこれ何時間寝ていないだろうか…。)チェックインを済ませしばしホテルで休憩したあと、夕方は待望のサファリに向かうことに。
この日の宿泊ホテルは「サロバライオンヒルロッジ」。ナクル湖国立公園の敷地内にあるコテージタイプののんびりとした雰囲気で、石造りの洒落た外観に豪華な内装は新婚さんがゆったり過ごすのにちょうどよい。バスタブも付いていて、日本人にとっては疲れを癒すにとてもありがたい。
わたしにとってナクル湖のフラミンゴは昔からの憧れであった。何年か前、あるテレビのCMでこのナクル湖に飛び交う映像に感激し、ずっと目の前に広がるフラミンゴを体感したいと思っていたのであった。
そしていざ湖に近づくにつれ、フラミンゴの鳴き声が聞こえてくる。期待に胸を膨らませアカシアの木が生い茂る森を抜けると、そこには一面ピンク色のフラミンゴの大群が出迎えてくれた。何ともいえぬ幻想的な空間である。幾度となくこの映像をテレビや写真で目にしてきたが、想像以上である。やはり映像で見るものと生では全然違う!!
また、何百・何千というフラミンゴの鳴き声が脳裏を駆け巡り、今この場所に立っているという実感を与えてくれる。強行日程でもこの場所に来ることができて本当に良かった。
どのくらいの時間が経っただろう、しばし呆然と立ち尽くしたままフラミンゴを眺めていた。
痺れを切らしたのだろうか、ガイドさんが他にも色々あるからと別の場所に案内してくれた。ナクル湖はフラミンゴだけでなく他の国立公園同様、色々な動物が生息している。フラミンゴがいる湖を後に公園内を散策することに…。
“シマウマ”や“バッファロー”が姿を現し、次には“キリン”にも遭遇。最初は目新しく車を止めてもらってみていた“シマウマ”や“バッファロー”・“インパラ”なども、数の多さから次第に素通りとなり、もっと珍しい動物を見たいと欲望が出てくる。喜んでいるわたしたちを見てガイドさんも力が入る。どんどん運転が荒くなり、珍しい動物を探しにグルグル森を巡る。満足感に浸りながらサファリは終了できた。
余韻に浸りたかったが、サファリが終わった途端、熱も出てきて体調が悪化。この日の記憶はここで途絶えたのであった。
感動のナクル湖。フラミンゴに別れを告げ、次は豪華ロッジ
「スィートウォーター」へ
一晩寝たら体調はだいぶ良くなった。
早朝、早速サファリ・ドライブへ。もう一度あのフラミンゴに会いに行くことに…。
朝日が湖を照らし、光り輝く水辺にまたフラミンゴの大群が出迎えてくれたが、なれてしまったのか昨日の胸を打つ感動は得られなかった。(やはりあの感動は初めて足を踏み入れた瞬間にしか体感できないのだろうか…。)しかし、颯爽と飛び交う姿はいつ見てもすばらしい。フラミンゴは日本でも動物園などでよく見かけるが、ナクル湖のフラミンゴは想像を絶する数で世界中探してもこの光景は目にできないだろう。新婚旅行ならずともオススメできる場所である。
2時間ほどサファリ・ドライブを続けた後、ナクル湖国立公園を後に、次に向かうのは「スィートウォーター動物保護区」。車で3時間弱の移動だ。
ナクル湖からスィートウォーターまでの道路は、比較的整備されていて(ところどころ砂道はあったが…)心地よいドライブであった。ケニア山を眺めながら高速道路を駆け抜け、途中赤道も通過。幾つかの村を通り過ぎ、ロッジに到着。
「スィートウォーター動物保護区」はガイドブックにもあまり載っていない隠れ家的スポットだ。わたしもケニア通のスタッフに教えてもらい、この地を選んだのである。
まず魅力的なのが「スィート・ウォーター・テンデット・キャンプ」のロッジである。お洒落なテントで、サファリ気分を味わうことができる。また、シャワー・トイレ完備なのもうれしい。
テントの前には25mプール位の大きさの動物の水のみ場があり、そこに動物が集まってくるシチュエーションになっている。のんびりロッジから動物が来るのを待ちうけ鑑賞でき、また近くには“チンパンジーの森”や“サイの保護区”があり通常のサファリでは味わえない体験ができる。
通常サファリでは観るのが珍しいと言われている“サイ”も、この“サイの保護区”では、実際に手で触れることもできる。サイの皮膚はとても硬く、触れることで自然の動物に親しみがわく。子供ウケもいいだろう。
もちろんサファリ・ドライブも楽しい。敷地は他の動物公園と比べると小規模だが、その分、隅々まで見ることができる。そして晴れていればケニア山をバックに写真撮影も可能だ。また、オプションでナイト・サファリもできるのも魅力である。
「スィートウォーター」で1番にオススメなのが、夕陽が落ちた後である。周りも暗くなってきた時、ロッジの前の水のみ場に沢山の動物が集まってきた。“ゾウ”や“シマウマ”などが水のみ場を埋め尽くす。(暗かったので写真におさめる事ができなくて残念…)まるで、動物たちが夜の集会をやっているようである。しかも、それを自分の泊っているロッジで眺める事ができるので、(テント型なので雰囲気も最高)なんとも言えぬ優越感を味わえる。
本当にケニアでの穴場のスポットだ。のんびりするのも良し!サファリを楽しむのも良し!また、チンパンジーの森では歩きながら森を探検できる。これも車でずっとサファリをしていれば新鮮に思えるだろう。間近で見る“サイ”も必見!!
他にも人気の国立公園は多々あるが、この「スィート・ウォーター・テンデット・キャンプ」のロッジの雰囲気も綺麗で、高級感もある。特に新婚旅行の思い出づくりにはもってこいの場所である。わたしも時間と予算が許すならばもう1泊してみたかった。
サバンナの丘の上に聳える高級リゾート「ムパタクラブ」に大感激
マサイマラ動物保護区へはナイロビから国内線の飛行機で移動。早朝、スィートウォーターでサファリを楽しんだ後、一旦ナイロビに戻り、そこから約45分のフライトで一気にマサイマラへ。
40~50席位の小さな飛行機での移動だ。マサイマラ動物保護区はとにかく広いので、幾つか飛行場があり、そこを経由しながら移動していく。 何度か離着陸を繰り返し空港に到着。(空港といっても建物などは何もない。ただ草原の中に滑走路があるだけである。)
飛行機を降りると今回宿泊する「ムパタクラブ」のスタッフが出迎えてくれた。空港から車で30分弱、小高い丘を登りその頂にホテルがある。
ユニークな建物にお洒落な内装の5ツ星ホテルである。このホテルには日本人スタッフも常駐していて、細かな要望にも対応してくれてとても安心できる。またスタッフも日本人が大好きみたいでとても明るく接してくれた。
今回は奮発して「ムパタクラブ」では、スウィートルームを予約した(弊社スタッフの入れ知恵で半強制的にグレードアップした。)
期待通りとてもお洒落なつくりで、開放感のある広いリビングダイニングがあり、一面ガラス張りの大きな窓からは広大なサバンナの風景が一望できる。
また、一番の特徴はジャグジー付というところだ。ゆったりお湯につかりながら、サバンナの風景を独占できる。通常のデラックスタイプもリビングやジャグジーこそないが、同様にお洒落な造りで十分満足できると思う。しかし、バスタブが付いていないので疲れをゆっくり癒すにはジャグジー付のスウィートがいい。新婚旅行や特別な旅行ならなおさらオススメだ!!
モダンな雰囲気の洒落た家具に囲まれ、とにかく眺めの良い景色。夜には空に無数の星の数が非日常的な世界を演出してくれる。多少(かなり)料金は上がるが、それなりの価値のある経験ができた。料理も本格フランス料理で大満足。ドレスコードは必要ないが、落ち着いた雰囲気のレストランは高級感たっぷり。
また、屋外でサバンナの大草原を一望しながらお酒を楽しめるバブーン・バーがあり、アフリカならではの演出も是非体験してほしい。プールもあるので水着の持参も忘れずに!(案外冷たいので、あまり入る人はいない…。)
「ムパタクラブ」のサファリは朝・夕の1日2回付。丘の上にあるロッジなので、わりと早めの時間から出発する。その他にもマサイの文化をより身近に知ってもらおうと、様々なオプショナルも用意されている。
マサイマラのホテルは他にも様々なタイプがあり、どのホテルにするか頭を悩ます人も多いだろう。(わたしもその1人である。)
どのホテルが良いかはその人の好みによって異なってくると思うが、この「ムパタクラブ」では、ゆったり、のんびり、そして優雅に過ごせた。サファリも満喫できるし、なんと言ってもホテル滞在時(サファリをしていない時間)でも楽しく過ごすことができるオススメホテルである。
壮大なスケールのマサイマラ動物保護区 ライオンにも対面
「マサイマラ」の魅力はなんといっても、その広さと動物の数である。ケニアで最も多くの動物が生息し、その数は他の国立公園をはるかにしのぐ。ケニアではずせないスポットだ。
ゲームドライブではまず、“シマウマ”など草食動物の大群にも「もう飽きた~」と思うくらい遭遇する。草食動物にも似たような種類の動物がたくさんいるので簡単な図鑑などがあれば色々な発見があり重宝する。動物のほかに“鳥”も色とりどりの綺麗な鳥が姿を現す。
ただ車で走っているだけでは動物は見つからない。ガイドさんは無線などで情報交換をし、動物がいそうな所に移動する。もちろん、「○○が観たい~」といえば、それを探しに懸命に努力してくれる。
ちなみに壮大なスケールのサバンナでは、双眼鏡は必需品だ。(しかも1人1個)
それほど高価なものは必要ないが、折りたたみ式の安いものはあまりオススメできない。目安は10倍前後の倍率。解像度はより高いほうが良い。10倍のレンズなら100m先にあるものが10m先に見えることになる。解像度は光の取り込みを示す。倍率が高すぎても手振れなどで、被写体がブレて眺めづらい。
サファリの場合(特にマサイマラ)は動物の近くまで寄ることができるので、個人的には10倍で十分だと思う。(わたしも4000円位の双眼鏡を購入したが、十分であった。)
カメラはズーム付がオススメ!
一眼レフであれば200~300ミリのズームレンズ、夕日やサバンナ全体をダイナミックに撮るなら広角レンズも捨てがたい。最近流行りのコンパクトデジカメでも最近の機能はすぐれているので決して悪くはないが、光学10倍ズームの機能が付いていれば、近くに寄ったときに動物の顔がアップで撮れる。(電子式ズームだと、かなり画質がおちてしまう。)
日中は光も強いので、補正機能も付いているとありがたい。もし旅行前にデジカメを購入するなら画素数の他に、ズーム倍率や補正機能。電池の寿命にも気を配りたい。(電池は必ず2個用意した方が良い)多少大きくなってもデザインより機能の方が、サファリにはいいと思う。
そして、たくさんの動物と遭遇し野原を縦横の巡っていると、ようやく昼寝をしている“ライオン”とも対面。すごく近くに寄ることができ大感激。
無線を聞きつけたサファリカーが続々とやってきて、ライオンは昼寝の邪魔をされ何処となく不機嫌な面持ちであった。その貫禄ある姿と、サバンナの壮大なスケールは言葉では表現しにくい。なんとも言えぬ快感である。
今回、わたしはマサイマラに3泊したが、サファリ・ドライブは何回やっても飽きない。毎回行く場所を変えたりするので、その度に新たな発見・感動がある。観る動物もサファリをする場所によって様々だ。
そして今回私が期待していたのが、「ヌーの川渡り」である。
通常だと9月頃にマサイマラからタンザニアのセレンゲティ国立公園(国が変わると公園の名前が変わる)に移動し、途中川を渡って行くのだが、今年は気候の変化からか10月の末でもまだヌーが川を渡り移動していくという。
川にはワニなどが潜んでおり獲物を待ち構えていて見ごたえ十分らしい。
つい一週間前にも弊社のスタッフが研修に行き目撃している。コレは期待できると思いガイドさんにリクエストしてみた。そして幾つかの川渡りスポットに行ってみたが、川は静かなものであった。ヌーは延々と一列に並び移動しているが、もう川を渡った後らしい。(もう一週間早ければ…と後悔しつつ…)
ちなみに、春になるとまたセレンゲティからマサイマラ戻ってくるという。少し残念であったが、それはそれで良い思い出となった。そして、またリベンジしてやると心に誓うのであった…。
一生の思い出!! 感動のバルーン・サファリ
今回の旅行のメインイベント「バルーン・サファリ」。サバンナの広野を気球に乗って優雅に空から動物を追いかける。
早朝(朝日が昇る前)に出発地点に集合。世界各国の旅行者が集まってきた。色々な国の家族連れやカップルがいて、今回は8人乗りの気球が2隻用意されていた。
暖かいコーヒーやビスケットなどが用意されていて、気球が膨らむのを待っている。気球が膨らむのにつれ、期待もどんどん膨らむ。
そしてバーナーに火がつきいよいよ乗船。簡単な説明を受け、朝日が顔を出した時にいざ出発~!!少しずつ浮き上がり、地面から離れていく感覚は今でも忘れられない。
そして風まかせのバルーン・サファリが始まった。心地よい朝日が目に飛び込んできて、辺りの野原が金色に輝いている。上から見ると草原に無数の線が見えるが、コレは獣道らしい。しばらくすると、“シマウマ”や“インパラ”などが出迎えてくれた。上から見る光景はサファリ・ドライブとは一味違う。動物が走る姿がとても絵になるのである。
しばらく進むと森に入った。森の中は“ゾウ”や“キリン”また“ライオン”や“チーター”の住家にもなっているという。しかし今回は残念ながら森の中には何もいなかった…。
川には“カバ”の群れが姿を現し、鼻から水しぶきを上げている。森を抜けると水平線まで続く広野がわたし達の目に飛び込んできた。広野には所狭しと“シマウマ”や“ヌー”の大群が並んでいる姿が印象的であった。遠くに“ライオン”が歩く姿も小さく見えた。
何度も言うが、空からの眺めは格別だ!!
心地よい風に揺られ、ゆっくりと気球は移動していく。1時間くらい飛んできただろうか、気分は最高潮に達していた。そして平原に気球は着陸。着陸の際はちょっと恐怖…。次第に地面に近づき横に倒れた上体でそのまま何メートルか引きずられていく。(風の具合によるが…。)しばらく横倒しの状態で気球がしぼんでいくのを待ち、這い蹲りながら気球を降りる。
無線で連絡を取り合いサファリカーが着陸地点に先回りして朝食の準備をしていた。余韻に浸っていた私たちに早速シャンパンが手渡され(飲み放題)みんなほろ酔い気分で会話が飛び交う。サバンナの真ん中で、皆でテーブルを囲み朝食を食べ、楽しい時間が続く。しかも気球のバーナーで焼くお肉や卵は格別である。また、名前の書かれた飛行証明書をもらえるのも記念にできて嬉しい。ちゃっかりトレーナーなどのお土産も売っていた。
こうしてバルーンと朝食を満喫した後、帰路はサファリ・ドライブをして帰る。気球で飛んできたところを車で走るのである。空からライオンがいたスポットに向かうと、まだそこに昼寝をしていた。またもやライオンとの対面に感激。そして、サファリを楽しみながらホテルまで送ってくれる。お昼前にホテルに到着。
この日夢みたいな1日が過ごせた「バルーン・サファリ」は、まさに一生の思い出に残る体験だ。朝日に彩られたサバンナの大地やたくさんの動物たち。そして世界の観光客と触れ合うことができ、また地球そのものを空から受け止めることができる。新婚旅行の思い出造りには欠かせないだろう。この体験は私たち夫婦の間でもずっと語り継がれるだろう。空を飛んでいるときはまさに夢心地な気分になれる。とっておきのオプショナルツアーである。是非(絶対に!!)オススメしたい!!
満喫したマサイマラを後にナイロビ日帰り観光。
そしてケニアを後に…
あっという間にマサイマラの3泊が過ぎてしまった。本当に充実した日々であった。親切にしてくれた「ムパタクラブ」のホテルスタッフと別れを告げ、国内線の飛行場に行き、ナイロビへと向かう。
ナイロビに着いたのはお昼前であった。そしてナイロビのガイドさんと再会し、昼食をとることに。昼食はアフリカ料理で有名な「カーニバル」というレストランで、お肉料理の食べ放題である。まずテーブルには様々なソースが並べられ、色々な動物のお肉が次から次へとお皿へ盛られていく。ワニやダチョウなどのお肉や、サファリで観た動物のお肉もあり不思議な気分であった。テーブルには旗があり、それを立てていると延々に容赦なくお肉が盛られていく。お皿が山盛りになってしまった…。しかしワニのお肉が美味である。
お腹一杯食べ、昼食をすませた後、ナイロビ郊外にある「ジラフセンター」観光。ここではキリンに大接近でき、直接手で餌をあげることができる。間近で見る “キリン”は愛くるしいというか、何処となく間抜けズラである。舌の色がグレーだったのが驚きだ。子供も大喜びで餌を与えている。大人の私達も童心に返りたくさん餌をあたえていた。しかし、よだれで手がドロドロ~となり、顔まで舐められた。楽しい反面、少し気持ち悪かった…。
ナイロビ市内は治安が悪いとされていてほとんど外出ができないので、ナイロビで時間が空いているようであれば是非、立ち寄ってもらいたい。
今回、ケニアでは色々な体験ができ、新婚旅行としては大満足である。大自然のスケールは想像以上で、観るものすべてが新鮮である。遺跡や名所を巡る旅も大好きだが、地球のあるべき姿が映し出されているサバンナは一味も二味も違い、きっと心打たれるであろう。そこには弱肉強食の社会があり、生き延びていく為にあらゆる生物が千恵を絞り日々進化して生活している。そんなところに立っているだけで、生命のありがたみを感じる事ができる良い旅であった。
そして、夕刻。ケニアを飛び立つ…。しかし、旅はまだまだ続く…。大自然のサファリを堪能した後は、砂漠のオアシス、ドバイ(UAE)へ
砂漠のオアシス「ドバイ」 迫力の“砂漠サファリ”
今回の旅行は乗継地であるドバイにも2泊することに…。コレも弊社スタッフの入れ知恵で、自然を楽しんだ後に都会に行き、違った楽しみが得られるという事だ。
近代的な高層ビルが立ち並び、空港やその周りの雰囲気は超豪華!!それは日本も圧倒する。さすが石油の国だ。
今回宿泊するホテルは「リビエラホテル」(最近、弊社の社員旅行でも立ち寄ったところだ。)たくさんの超高級ホテルが立ち並ぶ中、比較的リーズナブルなこのホテルはシティのクリーク運河のすぐそばにあり、買い物するにも良いロケーションである。
1番嬉しかったのが、ホテルの朝食に日本食があったことだ。ケニアでは肉料理が続いていた為、何より白いご飯と味噌汁が懐かしく新鮮であった。
日中はかなり暑く、ちょうど到着した日がラマダン明けだった為、町の中はとても静かであった。
日中、しばし町を散策した後は、オプショナルツアーの“砂漠サファリ”を体験することに。ホテルへ砂漠ツアーのガイド兼運転手さんが出迎えてくれた。
今回のガイドはとても静かで優しそうな人柄の“ソニーさん”という方である。車もピカピカのトヨタの4WDの高級車でケニアのサファリカーとは質が違っていた。今回乗り合わせたのは、60代くらいのドイツ人の夫婦と、国籍は内緒の10歳くらいの女の子とそのお母さんである。みんなフレンドリーですぐさま仲良くなった。
そして、いざ砂漠へ向かう。大都会からたった30分くらいで砂漠の入り口まで来たのには驚きであった。もっと遠くにあるのかと思っていたが、そこには日本の鳥取砂丘とは比べ物にならないくらいのスケールの砂漠が広がっていた。
砂漠の入り口近くのガソリンスタンドで砂漠ツアーに参加する車が一斉に集まった。欧州系の人やアラビア系の人、世界中から色々な人がツアーに参加していた。そしてドライバーはサファリに備えタイヤの空気を調整。その間は売店で休憩。どきどきしながら準備を待つ。
ドライバーさんの掛け声と共に、一斉にサファリに出発~!!いきなり砂の丘を駆け巡る。優しそうな人柄のソニーさんも砂漠に入った途端、人が変わったのである。いきなり猛スピードで車を飛ばし、私達の悲鳴を楽しんでいる。凸凹の砂漠の山をうねりながら滑走し、まるでジェットコースターに乗っているかのようであった。誰かが悲鳴を上げるごとにソニーさんの魂に火がつき、どんどん運転が荒くなっていく。目をつぶったり、ハンドルを放したりと、苦しむ私たちを嘲笑うかのようにソニーさんは延々と砂漠を走る。中には車酔いで倒れている人もいた…。
少々、ぐったりとした時、お水休憩と砂漠の夕陽を鑑賞。砂漠から観る夕陽は神秘的な光景であった。
そして車は砂漠のイベント会場へ到着。バーベキューディナーやベリーダンスのショーが楽しめる。また、そこではラクダ乗りや水タバコ、サンドスキーなども体験できる。美しい夜空のもと、車で乗り合わせた人達とテーブルを囲みバーベキューを食べるのも格別であった。
そして食後はベリーダンスショーが始まる。煌びやかな衣裳を纏った女性が踊りだす。終止、観客を巻き込んでみんなで踊りだす。大盛り上がりでベリーダンスショーは幕を閉じ、砂漠サファリツアーは終わりを告げるのであった。
また、ドバイの魅力は砂漠だけでなく、街並みやビーチにもある。ゴールド・スークでは金色に輝くアクセサリーのお店が一面に並んでおり、観るだけでも裕福な気分になれる。ショッピングセンターも世界最大級のショッピングセンターが幾つもあり、ブランド品や民芸品などたくさんのお店が並んでいる。それは1日ではとても回りきれない程である。次回、またドバイだけで色々散策したいものだ。
今回の旅行は新婚旅行ということもあり、いつもとは一味も二味も違っていた。
サファリ・ホテル・観光ともに充実した日々を過ごすことができた。(仕事で行くのとは気分が違うのであった…。)特別な旅行ということもあって、ホテルなどをグレードアップしてみたが、大正解である。もちろん通常の旅行でも色々と感動できるし、どういう旅にするかには個人差がある。
遠いと思っていたアフリカで特別の旅を
普段体験できない雰囲気や豪華さを体感するのであればホテル選びや観光は重要なポイントとなる。
マサイマラでの「バルーン・サファリ」やドバイでの「砂漠サファリ」は一生忘れることのできない大切な思い出となった。とてつもなく遠く感じていたアフリカがとても身近に感じた旅行であった。特別な旅行にオススメのところである。
田熊 力也
2005年10月