南インドへ行ってきました

インドと言えば・・・・
ガンジス河にアグラのタージマハール、ジャイプールの風の宮殿。ベナレスの遺跡。と連想するものは色々あるけれど、南インドと言えば?ケララ州っていったいどんな場所?ガイドブックを見てみても、ほとんど情報がない。一体どんなところなのだろうか。
インドに行ったらお腹を壊すのはあたりまえ。と色々な人に言われ、とりあえず薬をいっぱいスーツケースに入れる。
関空からエア・インディアで香港、デリーを経由してムンバイへ。ムンバイで乗り継ぎ、コーチンへ。
ムンバイまでは同じ飛行機なので、食っちゃ寝、食っちゃ寝しながら約13時間30分。さすがに機内食にも飽きてくる。途中、香港とデリーに止まるものの、飛行機から降りることはできず、かなりしんどかった。ムンバイに着いたのは深夜 23:55。やっと外に出られたと思っているのも束の間。すぐ乗換えてコーチンへ。今度は約2時間。インドは遠いようで・・・やはり遠かった。


コーチン
聖フランシス教会 インド・コチン着いて最初に泊まったカジノホテルはコロニアル風のホテル。
エコロジカルをテーマ? にしていて、ベッドのシーツを洗うのには○リットルも水をつかう。滞在中にもし、シーツを毎日替えなくていいならベッドの上に、カードを置いてください。とか、水の流しっぱなしはできるだけ控えてください。などととにかく節約に徹している。エコ大賞(のような賞)も受賞していた。
思ってたインドとはちょっと、いや結構違うコーチン。
デリーのような観光地化された都市とは違い、コーチンはのんびりした田舎という感じ。
人々も、よくインドのガイドブックに書いてあるような、『現地の人は信じてはいけない』というような感じではなく、目が合うと笑顔で答えてくれるようなほのぼのとした感じである。
ケララ州のケラとはココナッツという意味らしく、至る所に、椰子の木が生えていて、まさにリゾート地という雰囲気。
また、南インドといえば、西洋との貿易の地。コーチンで死んだとされるヴァスコ・ダ・ガマの墓もある。
ティカディへ
リクシャードライバーインド・コチンコーチンの次に行くはずであったクマラコムが急遽現地旅行会社の手違いで予定外のティカディに行くことに。コーチンからバスで約6〜7時間。細い山道を大きなバスで移動しティカディへ。カーブが多いうえに、途中で霧がでてきて全く何も見えない状態。なのにでこぼこの道をクラクションをガンガン鳴らしながらバスは容赦なく前進していく。対向車が来ても、お互いお構いなし。対向車だけではない。牛や人があるいていてもお構いなしにどんどん進む。ぎりぎりの山道をこんなスピードで・・・と時折下を見下ろしながらヒヤヒヤした。移動の途中で以外に目立ったのが、キリスト教会。インドといえばヒンドゥー教。ケララ州でも、ヒンドゥー教60%、回教20%、キリスト教20%とのこと。なのに、キリスト教会があちこちにあったのは、昔、南インドが西洋と貿易をしていたから、その影響で教会が増えていったのであろうか。
道の悪さと長距離移動でティカディのホテルに着いた時はぐったりしていた。コーチンで出来なかった分も含めて、今日は絶対アーユルベーダをしよう!と心に誓った。
スパイスビレッジ
ティカディ スパイスビレッジティカディのホテル、スパイスビレッジもコーチンで泊まったカジノホテルと同じグループ。その名の通り、敷地内にはコーヒー、レモングラスなど色々なスパイスが植えてある。 そしてそのスパイスが植えてある中を歩いて部屋へ向かう。
1棟2部屋ずつくらいに分かれている藁葺き屋根の部屋。部屋に入ってしばらく休憩。何か物足りない。テレビだ!テレビがないのである。夜、シーンとした闇の中で聞こえてくるのは、鳥や虫の鳴き声。朝は鶏の声で目が覚める。
ペリヤール動物保護区
バックウォータークルーズ インド・アレッピー翌日、昨晩スパイスビレッジでのアーユルベーダのおかげ?でいつもよりお肌の調子もよく、体もスッキリ。
スパイスビレッジから車で15分。ペリヤール動物保護区でボートサファリに参加した。
かなり大きな湖だが、人工とのこと。そして静かな水面に映える山や木の緑。
思わず見とれてしまう。20人くらいのボートにのってサファリを体験。進んで行くと水中からいくつも樹が生えている。その上で羽を乾かしたり、巣を作る鳥。しかし、いくら進んでも一向に鳥以外の動物が出てこない。ちょっとでも緑でないものを見つけると(岩とか、切り株とか)みんなが動物ではないかと必死だった。
『あ!』というガイドさんの声と指差す方向を見ると、鹿の群れ!でも向こうの方にちっちゃく見えるだけなので、目を凝らさないと何だかわからない。あまり近づくと、びっくりして逃げてしまうらしい。それでもみんなはいっせいに写真を取っていた。それから野牛の群れ。今度はけっこう近くで見れた。でもまたしばらくは何も出てこない。野生というだけあって、こちらの思惑通りには現れてくれなかった。野生の象もちらっと見ることができた。
ココナッツラグーン
ココナッツ・ラグーン インド・クマコラム翌日、バックウォータークルーズの拠点であるアレッピーへ行く前に幻?のクマラコムのココナッツラグーンというホテルを見ることに。ティカディからまた山を越え茶畑、ゴムのプランテーションが多く見られる。しばらく行くと、一面の水田地帯。
南インドでは米が多く取れるため、カレーにもナンはほとんど目にすることはなく、パサパサの米がついていた。
ココナッツラグーンへは船乗り場から水路を行くというちょっと変わったホテル。両側に覆い茂る椰子の木、川で泳ぐ子供、服を洗う女の人を見ながらホテルへ。船を降りたらそこがすぐにレセプション。
ココナッツラグーンは昔の漁師の家をそのまま改装してホテルにしたという木造建築のホテル。デラックスルームにはプール付。外に出れば大きな湖が果てしなく広がっていて綺麗なサンセットを見ることができた。
クマラコムを後にして、アレッピーへ。南インドで水郷地帯といえば、クマラコムかアレッピーとのこと。アレッピーはバックウォータークルーズの拠点にもなっている。アレッピーで泊まったレイクパレスも、ココナッツラグーン同様、船でホテルまで行く。こちらのホテルもコテージ風。そして回りに広がる水田。
バックウォータークルーズ
バックウォータークルーズ インド・ティカディ翌日、レイクパレスをチェックアウトして、また船で戻る。しかし、何か長い気が・・・・
しまった!!!と気づいた頃には、かの有名なアレッピーのバックウォータークルーズが始まっていた。
左右に椰子の木と民家。そこで生活している人の様子がよくわかる。
川で洗濯をしていたり、食器を洗っていたり、髪を洗っていたり、泳いでいたり。本当になんでもあり!!また、ここではカヌーで川辺に住む人に魚や果物を売りに来ている。船を見つけると笑顔で手を振る子供や、汗を拭きながら農業をしている人。アレッピーのバックウォータークルーズ約3、4時間くらいだが、雲ひとつない青空の下、ゆっくり流れる景色を眺めるのは気分がいい。ガイドさん曰く、ここはインドのベニス(?!)と言われているとのこと。その昔、西洋人との貿易が栄えていた頃、陸地から港へ運ぶ道としてつくられたのが、このバックウォーター。今では、コーチンが貿易港となっているため、この運河も使われなくなり、観光地の1つとして利用されている。
久々に時間がゆっくりゆ〜っくり流れているのを経験できた。
最終日
ムンバイ インド門コーチンからまたムンバイで乗り換え関空へ。ムンバイでの乗り継ぎ時間がすごく長い(ムンバイ着が午前4時、ムンバイ発が午後8時)のでムンバイを観光することに。
やっとよく耳にする場所に来た。ケララ州とは打って変わって、ムンバイは大都会。車が多いし、インドに来て初めて信号を見た。街中は、昔イギリスの統治下たっだこともあり、建物もヨーロッパ風。街中を歩いていると、一人のインド人に声をかけられた。ムンバイ大学の生徒だという彼はムンバイ大学の中を案内してくれ、インドに来てチャイをまだ飲んだことがないというと、大学の中の食堂でご馳走してくれた。
ムンバイ大学 ムンバイ・インド出てきたカップは日本人からしたら、え!!って思うくらい汚れていた。バックウォータークルーズで運河で食器を洗ってる人を思い出して、戸惑った。まぁ口をつけなければいいか。とどうでもいい説得を自分自身にしてチャイを頂いた。日本で飲むより甘くておいしい。しかも4ルピーと安い!結果、何もなかったから良かったものの、インドに来て現地の人にホイホイ付いていくな!しかも、エージェントのくせに!と後で注意を受けた。。。。
全くその通り。
今回、南インドで思いっきりリゾート気分を楽しめたが、北インドや西インド、東インドを知っている人に言わせれば、これがインドだと思ったら大間違い!とのこと。幸い、お腹を壊すこともなく、騙されることもなく、スリに会うこともなく・・・
私の初めてのインドの旅は終了した。
次回はぜひ、インドと言えばお馴染みのデリー、アグラ、ジャイプールにも行ってみたい。
川内 由佳
2004年9月

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