タイ国政府観光庁主催の研修に参加させていただき、イサーンへ行ってきた。「おお!あのイサーンか!」と思った人はなかなかのタイ通であろう。
アジア各国から旅行業界、メディア等が集まり、イサーンをデスティネーションに据えた大規模なプロモーションセミナーが開催された。
イサーンとはタイの東北地方を指すが、タイといえばバンコク、チェンマイしか知らない私は、イサーンと聞いても全くわからず、ガイドブックを見てもあまり情報がない。
「???」という状態のまま現地へ赴くことになった。
イサーンと一口に言っても広く、中でも今回私はウドンタニ、コンケーンを訪れた。
田舎だと聞いていたが、コンケーンは予想よりも都会だった。
大きなショッピングモールや外資系の高級ホテルなどがあり、よく整備されていた。
しかし、少し郊外に行くと、人も車も少なく、静かでのんびりとしている。道端で馬や牛に遭遇することもあった。日本人のツアー客には全く出くわさなかった。というか自分達以外の日本人を見ていない。
イサーンの人はおっとりしていて親切。また、タイの中でも肌の色が白く、男女共に美形が多い地方だそう。ポイントが高い。
東北料理(もち米を食べる)もおいしく、物価も安い(マッサージ2時間300バーツだった)。
では、ウドンタニ、コンケーンでは何が見られるのか?
それは、ずばり恐竜の骨である。
コンケーンから車で2時間くらい走ったカラシンという所にシリントーン博物館がある。
ここでは発掘された実際の恐竜の骨を見ることができる。今回は福井県立恐竜博物館の東館長がご同行してくださっており、先生の解説を聞きながら化石を見学できたので、非常に興味深いものとなった。
かつてこの骨には肉体があり、生命を宿してこの地に立っていたのかと思うと、何とも壮大な気持ちになる。
イサーンでは各所で恐竜の化石や足跡が発見されており、いずれも山奥である為、1日で一気に回るのは不可能だが、是非コンプリートしてみたいと思った。
セミナー参加などであっという間に滞在期間が過ぎ、帰国となってしまったが、イサーンにはクメール遺跡や自然景勝地などまだまだ数多くの見どころがある。
バンコク、チェンマイ、プーケット・・・ メジャーな観光地と比較すると、正直言って目立たない。少し物足りない。しかし、この物足りなさこそがイサーンの素朴な魅力であり、逆になぜかもう一回行ってみようかな・・・という気にさせる点である。
2010年1月 松井