動物天国・南アフリカ周遊の旅 ~ザンビア・ボツワナ・ジンバブエ・南アフリカ~

動物天国・南アフリカ周遊の旅 ~ザンビア・ボツワナ・ジンバブエ・南アフリカ~


シマウマがホテルの中にいる。悠々とえさを食べ、自分の家のごとく全く落ち着き払っている。周りの写真をとる人間には目もくれずおいしそうに草を食べている。ここはザンビアのホテル、ザ・ザンベジ・サンの中庭だ。毎日シマウマたちは朝、夕2回その姿を見せる。それもそのはず、ここは国立公園の中にあるホテルだ。動物達の家の中に、つつましく我々人間が自然を楽しみに泊まっているのだ。時にはキリンも姿を見せるという。このホテルの裏庭から5分もすればビクトリアフォールズが見れる。世界3大瀑布の一つがすぐそばにある。ザンビアサイドから見るビクトリアフォールズは斜め横からの角度のせいかもしれないが、シャープで繊細だ。いい写真を撮るならこちらからのがお勧めだ。


一方ジンバブエサイドからのビクトリアフォールズは実に豪快だ。乾期の水が少ない時にかかわらず、体はずぶぬれだ。目の前に滝が降り注ぎ、カメラの水よけカバーを持ってきてないので自分の着ているポロシャツで覆った。全幅1.7kmのうち0.5㎞の長さしかジンバブエ側はないのに、その水量は圧倒的に多い。デビルズ・キャタラクト(悪魔の奔流)、メイン・フォールズ、ホースシュー・フォールズ、レインボー・キャタラクト、アームチェア・フォールズ、イースタン・キャタラクトの6つのパートに分かれており、それぞれビューポイントがある。現地の言葉で「雷鳴のとどろく水煙」の名を持つ、ど迫力の滝である。
ビクトリアフォールズの町から1時間少しでボツアナのチョベ国立公園に着いた。午前中はチョベ川ボートサファリ。チョベ川は波音もなく、周りの景色と調和し、悠然と時を越えて流れていく。その水は清く澄み、動物や鳥や魚の天国だ。水辺には象が水を飲みに群れ、カバは水と戯れている。空には様々な種類の鳥達が悠々と羽を広げている。ここでは主役は動物達だ。彼らのご機嫌をそこなわないように静かに見て回る。

チョベ国立公園の特徴は7万頭とも10万頭とも言われる象たちだ。その生息密度は世界一で容易にサファリの中で遭遇できる。それでも目の前を象たちが通りすぎるのを待っているときは、こっちへ向かってこないかと緊張が走り不安になった。午後の3時間弱のサファリでも十分堪能できた。


ビクトリアフォールズからヨハネスブルグを経由してケープタウンにやって来た。翌日は終日ケープ半島ツアー。喜望峰から遠くに広がる海を眺め欧ていると、大西洋とインド洋がまるでぶつかっているような錯覚を覚える。日露戦争の時にロシアのバルチック艦隊がこの沖を進んでいったと思うと感慨深い。すぐ隣にあるケープポイントからの景色は絶景だ。この時期には珍しい鯨も真下に見えた。ここにある灯台は多くの船の助けとなったことだろう。15㎞ほど北上するとペンギンが間近に見られるボルダーズ・ビーチがある。背丈は小さくその泣き声はロバに似ている。さらに20㎞ほど北上するとハウト湾に着く。ここから船に乗ってドイカー島に10分ほどで向かう。おびただしいほどの数のオットセイが我々を歓迎してくれた。
ガイドのバリーさん曰く、いまやここケープタウンのウォーターフロントへの観光客はあのカイロのピラミッドの数より多いという。実際行ってみるとあながち嘘ではないと思える人出だ。ビクトリア入り江の湾が沢山のお土産屋やレストラン、高級ホテルで埋め尽くされ、いたるところで催し物がされている。しかしこの場所をいっそう魅力ある所にしているのは後ろにそびえるテーブルマウンテンの存在だ。
いよいよ旅の最終はクルーガー国立公園へ。プライベートリザーブと言ってもなんと関西空港の12~13倍の広さのシュクドゥ・ゲームロッジで動物三昧だ。39歳、二人の子供のお父さんである生真面目なガイド・シャドレックの案内でサファリ開始。すぐに歓迎してくれたのは象の「ベッキー」と娘の「マルティカ」。喜んでサファリカーに一直線に向かってくる。サイの家族も口を大きく開けてウエルカム。ここでのハイライトはなんと言っても朝の散歩サファリだろう。8才のチータ「サバンナ」が遠巻きに同行してくれる。(彼女はいつもはロビーで寝ている)そして一緒に歩いてくれるのが7ヶ月のメスライオン「チョビ」だ。記念撮影にも気軽に応じてくれる。一生の記念になることだろう。
本当に動物達よありがとう。

2006年11月18日~26日 本山泰久

アフリカカテゴリの最新記事