ザンジバルの海でイルカに出会った。 タンザニア

ザンジバルの海でイルカに出会った。 タンザニア

ザンジバルの海「キリマンジャロ」 と後ろの座席の男の人が大声で教えてくれた。
ナイロビからザンジバルへのフライト。約1時間半のフライトの途中で、右側にキリマンジャロがとても綺麗に見える。わたしはなんとなく帰省のときに東海道新幹線から見る富士山を思い出した。キリマンジャロは近くに大きく見えた。
これが、キリマンジャロかぁ、と思いつつ、もうすぐ着くザンジバルについて考える。
インド洋の島。海はきれいだろう。また地理的関係上、貿易の拠点として栄えるとともに奴隷貿易という歴史も残っている島である。
近づくと、予想どおり上からみる海は美しく光っていた。気分も高まる。


しかし、到着してみると、スーツケースが出てこない。これで全てだと言われ、ロストバゲージ確定である。
高まっていた気分が急降下。でもアフリカだし、日常茶飯事のようで航空会社のスタッフは慣れた感じで軽く対応。こんなものか、と思いつつ、手続きを済ませ外へ。
ザンジバルについてあまり知識はなかったが、来る前に調べた中で、自分の目的としていたのがドルフィンスイムである。ザンジバルで野生のイルカと泳ぎたい!!そう考えていた。
それさえできれば荷物なんて届かなくても楽しめる!と思っていたが、よ~く考えると水着がない!翌日しか海に行く時間はないので、あわてて水着を売っているところを教えてもらい、なんとか日本人にも合うサイズの水着を手に入れた。(この際デザインは気にしていられない)
朝早く行ったほうが良い、ということだったので、6時出。泊まっていたホテルはジェネレーターで電気を起こしているので、朝5時台はまだ電気が使えない。緊急用に用意されているライトを使って、苦労しながら出発の準備。ドルフィンスイムができるのは島の南端に位置するキジムカジというところだ。
ザンジバルのビーチ小さな漁船で沖に出る。ふと、船酔いの危険を感じた。けっこう海は荒れていた。
客がいれば船は出してくれるようで、この船の客は私ひとりだった。10分ほど沖に出たところで、船に乗っていた男の人が一人海に飛び込んでいった。網と槍のようなものを持って。魚をとるらしい。これが日常の仕事なんだろうなーと見ていた。わたしたちはそのままもう少し沖へ。
ザンジバルのドルフィンスイムはイルカの群れを見つけると、進行方向に回り込む。「ジャンプ、ジャンプ」と海に入るようせかされる。飛び込むと「ダウンダウン」と言われ海の中を見ると、イルカの群れが泳いでいる、というものだ。もちろんイルカはすぐに泳いでいってしまうが、野性のイルカの群れを目の前で見ることができる。イルカが行ってしまい、船に上がると、またすぐに「レディ、レディ」と言われ、フィンとマスクを装着。そしてジャンプ。5~10頭くらいの群れがこっちに向かって泳いでくる。イルカの顔もはっきりと見える。近づいてくるイルカもいるので真正面でイルカと顔をあわせることもできる。これを何回か繰り返すのだ。少し潜ってがんばって泳ぐとイルカに手が届きそう!
かなり興奮して忘れていたが、この日は波があり、少し船で休憩すると急に気分が悪くなってきた。しかし、イルカがすぐに現れるので「レディ、レディ!!」と言われ、準備して飛び込む。
気がつくとまわりに他のボートも来ていた。家族連れなどは船の上からイルカを見ていた。もちろん船の上からでも泳ぐイルカを見ることができる。
お勧めは海の中を泳ぐイルカ。いっしょに泳いでいる気分になれるし、自分に向かって泳いでくるイルカたちに手を振ってしまうくらいキュートである。
ただ、予想以上にハードなドルフィンスイムだ。飛び込んでは、ボートによじのぼり、の繰り返しなので疲れる。それに沖の深いポイントなので、お子様や泳ぎが苦手な人はボート上から見るのがお勧め。
ザンジバルの海は遠浅なので、シュノーケルなどを楽しむには少し沖に出たほうがよさそうだ。でもホテルのビーチなどからのんびり眺めているだけでも満足できるきれいな海である。
世界遺産のザンジバルのストーンタウンストーンタウンからの眺め

また、世界遺産にも登録されているストーンタウンの散歩も楽しい。イスラムの影響を受けた、歴史を感じる建物も多い。細い道が入り組んでおり、迷いながら歩けば、要塞があったり、教会があったり、海に行き着いたりする。私は滞在時間が短かったが、2,3日ではもったいない島である。
今回の旅行は、ケニアのマサイマラでサファリをし、そのあとザンジバルへ行くというルートだった。ケニアのサバンナを満喫したあと、インド洋のきれいな海に囲まれたザンジバルでのんびりするのはとてもお勧め。

2007年10月 加藤明子

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