南アフリカ旅行記

南アフリカ旅行記

初めて南アフリカへ行ってきた。南アフリカ政府観光局の主催により、ダーバンで「インダバ」の名称で開催される、南アフリカの旅行会社、航空会社、ホテルが出展し、旅行素材を旅行業者向けに紹介する商品見本市に参加と、観光資源の視察のための団体の一員として参加した。メンバーは日本各地から、大手旅行会社や鉄道系、放送系、専門会社からの企画営業担当者と政府観光局、南アフリカ航空、キャセイ航空など年令も性別もさまざまな人たちである。
この旅行に参加する前の私が持つ南アフリカのイメージとして、アパルトヘイトやマンデラ前大統領、豪華列車のブルートレイン、金やダイヤモンド等の宝石の採掘国、喜望峰くらいしか恥ずかしながら湧かなかった。(ちなみに私自身、ファイブスターへは4月入社、その前は中国専門として10年仕事してきた)


5月9日:成田→香港→ヨハネスブルグ
成田発18:30発のCX505便で経由地の香港へ出発。(最終目的地はケープタウンだが、成田では荷物はヨハネスブルグまで、搭乗券も同様にヨハネスブルグまでだった。)香港着22:10(日本より1時間遅れているので日本は23:10)地方からの参加者と待合室で合流、23:10発のSA286便でヨハネスブルグへ出発。機内の乗務員は現地の人で、日本人や外国籍はいない。アナウンスも英語とアフリカーンスと呼ばれる南アフリカ特有の言語で行われ、南アフリカを少し身近に感じる。離陸後、すぐに日付が変わり、初めての長いフライト(12時間)だが、快適でぐっすりと眠った。
5月10日:ヨハネスブルグ→ケープタウン
6:50(日本より7時間遅れているので日本は13:50)にヨハネスブルグ着。長いフライトも終了。空港が広くゲートまで時間がかかる。入国手続きは出入国カードの記入の必要もなく、帰りの航空券をパスポートと提示と簡単だが、係員がのんびりとおしゃべりをしながら我関せずの様子で処理を行い、とても時間がかかったが、パスポートに入国許可のシールを貼ってもらい終了。無事入国。税関検査も簡単で、税関申告書を係員に手渡すだけで終了。空港の外で、現地のガイドと合流。スーツケース等の荷物を渡し国内線のチェックインをしてもらう。国内線出発までの間、現地通貨のランドに両替をする(1ランドあたり約13円)。南アフリカではUSドルや日本円は使用できないので、両替をこの時点で行うことをお勧めする。
9:05 発のSA317便でケープタウンへ出発。(昨日から3回目の航空機、多い人は4回目)空から南アフリカの赤褐色の大地を見ながら、11:15ケープタウン着。天気がとても良く。気候も温暖だ。バスに乗り込み高速道路へ入り35km離れた、ステレンボッシュへと向かう。
ステレンボッシュは南アフリカ特産品のワインでも有名なケープワインの産地で多数のワイナリーがあり、ワインの歴史は古く約350年前より始まった。訪問したニースリングホフワイワイナリーはドイツ人がオーナーで、入り口から続く松の並木がシンボルで生産されるワインのラベルにも使用されている。ワインコンテストでも数多くのワインが入賞しており名門の一つでもある。内部には従業員が敷地の中に住み、住宅や保育所の施設もあり、小山全体がぶとう畑に覆われ、見学者ようのレストランもあり大規模だ。工場では生産過程をワイナリーの見学者用のガイドから説明を受け、お楽しみのワインテイステイングをした。グラスの持ち方やグラスの回し方や飲み方を教わり、わずかの量だがワイン好きの私にはたまらなく嬉しかった。やはり本場のワインはおいしかった。別のワイナリーで昼食をとったが、ここには、ヒョウが飼われておりほかの動物もいたのには驚いた。
昼食後、オーストリッチ(ダチョウ )牧場に移動。到着後、牧場で飼育されているさまざまなダチョウを見て、ダチョウの体のしくみの説明を受け、最後に飼育されているダチョウの背中に乗せてもらった。背中はとても暖かく、ふわふわと心地よかった。見学後、テーブルビューと呼ばれる海岸から海に沈む夕陽や、夕陽が反射するテーブルマウンテンを見学し、宿泊するテーブルベイホテルへ。海に面する部屋やテーブルマウンテンに面した部屋もある。ホテルの回りはビクトリア&アルフレッドウオーターフロントと呼ばれる、日本のお台場のようなところだ。ホテルから直接入れる、ショッピングモールがあり、レストランはもちろん、映画館、スーパーマーケット、水族館などある。夜10時頃まで営業しており地元の人も多く訪れ、ガードマンが敷地の入り口や内部にもおり、治安がとても良く一人で散策して安全な場所である。夕食をウオーターフロント内のレストランでシーフード料理を食べた。夕食後、スーパーで南アフリカにしかないルイボステイ-を8ランド(約105円)で買った。1日がとても長く感じられた。
5月11日:ケープタウン
朝食後、テーブルマウンテンの向かった。まずロープウエイにて山頂へと向かうが、このロープウエイの床が回転して、どの位置からも景色が見られるようになっているのは驚いた。(但し、例年5月は南アフリカの観光ではオフシーズンとなり整備点検が行われるので何日か運休となるので、注意)さらに道無き急な岩場を徒歩にて登っている地元の人が多数いた。テーブルマウンテンはみかげ石で出来ており、山頂が切り取られたように平らで、テーブルのように見えることからこの名がついたという。この日は天気が良く、眼下にはケープタウンの町が見渡せ、喜望峰が見えた。山頂を1時間ほど散策したが、名前のとおり平らで歩きやすかった。下山し、海辺の道を通りホウトベイへと向かう。ここからアザラシのいる、ドイカー島へのクルーズへ出発する。湾内は波も穏やかで気持ちよかった。湾の外では大西洋の波にもまれ、船が大きく揺れる中、ドイカー島の沖へと着いた。島と行っても岩場と変わらない為、上陸は出来ず船の中から、船の回りを泳いだり、ひなたに寝転がったり、海へ飛び込んだりとさまざまなアザラシを見た。約50分程で終わる。
港町サイモンズタウンのヨーロッパ風の町並みを通り、ボルダーズビーチへ(ケープタウンから約45km)と向かう。ここには、南アフリカにしか生息しない体調 60cm程のジャッカスペンギンが砂浜にいる。バスからおり砂浜へと向かうと、砂浜から約500m程離れた、民家のすぐ近くの木の茂みの中にペンギンがいた。管理事務所で係員よりペンギンの生態について説明を受け、砂浜へと向かう。散策路沿いの茂みにペンギンの巣が多くあり卵を抱いて暖めている姿を見かけた。砂浜には海に泳ぎ出すペンギンや泳いでいるペンギンがいた。
見学後、いよいよ喜望峰へと向かった。まずケープ半島国立公園の管理ゲートを通り、車窓からダチョウやシマウマを見ながら進む。途中、1488年に喜望峰を発見した、バーソロミューディアスやインド洋航路を発見したバスコダマの銅像(道路から離れたところにあるさびしく建っている)を遠く眺めながら喜望峰へ(ケープタウンから約70km)到着した。アフリカ大陸最南端のイメージがあるが、実際はさらに南東にあるアグラス岬が最南端で(弊社ではオプショナルツアーあり)、最南西端という表現をしている。大西洋から打ち付ける波を見ていると、大陸の端にあるのを実感させられる風景だ。ここで私達は、記念撮影をしたりして過ごしたが、イタリアからの団体はシャンパン片手に乾杯をしながらのんびりと見学しているのを見て、次回は自分もしてみたくなった。ここにはこのような気分にさせるものがある。
バスに乗り15分ほどで半島の最南端にあるケープポイントヘ向かった。道路の終点にある駐車場からケーブルカーで頂上へ。天気もよく大西洋が遠く見渡せ、 500年前のヨーロッパからアジアへと向かうためにこの岬を通過した大航海時代のことを想像した。帰りは徒歩で海からの風を受けながら、景色をゆっくりと見渡しながら下山した。市内へ戻り、夕陽が沈む前のシグナルヒルへと到着。大西洋に沈むきれいな夕陽を眺め、日没後テーブルマウンテンがライトアップされ、眼下のケープタウンの夜景が美しかった。夕陽と夜景が両方見られて得した気分だ。日没前に来ることをお勧めする。

5月12日:ケープタウン→ダーバン
ホテルから空港へ向かう車窓から見えた、テーブルマウンテンに雲がかかっていた。ガイドがテーブルクロスがかかっていると表現したのにはそのとおりだと思った。09:15発のSA606便にてダーバンへと出発。11:10にダーバン(通常のツアーではほとんど訪問することがない)に到着した。インド洋に面した国際的な港町であるが、車窓から見える町並みは古く町自体に活気が感じられなかった。歩く人々も黒人やインド系の人が多くケープタウンとは違う印象を受けた。(治安もあまり良くない。夜間の一人歩きは絶対だめ)ホリディインエランゲニホテルに宿泊。ゴールデンマイルと呼ばれるビーチが目の前にある。昼食後、今旅行の目的である「インダバ」の会場である、ICCダーバンへ向かった。現地旅行社の出展したブースを数箇所回り、資料をもらった。内容も多数あったが、ヨーロッパの人向けの内容で日本人の旅行にはあてはまらないものが多かった。夕食は現地旅行社や政府観光局の人を交えての夕食会で、南アフリカへの国別訪問数を聞いたが、やはりイギリスやドイツなどの人が多く、アジアでは香港、中国などが多く日本人は距離が遠く感じるせいか、日本人はまだまだ少ない。増やして欲しいと要望される。
5月13日:ダーバン
朝、部屋から朝日を見て。朝なら出歩いても大丈夫そうなので、目の前のゴールデンビーチを1時間ほど散歩した。朝食後、スーパーマーケットに行ってみた。インド系の住民のために、カレー粉やスパイスが多く売られていた。再びインダバの会場へ向かい、ここで、ブルートレインやロボストレイルの豪華列車の説明を受ける。ブルートレインは豪華列車の元祖で通常はプレトリアとケープタウン間の運転だが、季節によりビクトリアフォールズまで運転される。夕食はタキシード着用でまさしく豪華列車の内容だ。ロボストレイルも豪華列車だが、夕食はジャケットにネクタイのスタイルでもOK。今年から、航空機を使用し列車と組み合わせたコースも出来、途中から乗車することも可能で、19世紀の蒸気機関車を復元したスタイルがヨーロッパで人気が急上昇している。日本向けにもセールス熱心だ。日本人には後発のロボストレイルが向いていると思う。次回は乗ってみたいと思う。ホテルへ戻り夕食まで休憩した。
5月13日:ダーバン→ヨハネスブルグ経由→ビクトリアフォールズ(ジンバブエ)
早朝にホテルを出発。空港へ向かう。06:30発のSA528便にてヨハネスブルグへ出発。機内はインド系の人たちが多く南アフリカにいる感じがしなかった。 07:40にヨハネスブルグへ到着。荷物はダーバンからビクトリアフォールズへ預けた為、搭乗券を受け取り出国手続きを行うだけだ。乗り継いで09:15 発のSA040便で隣国のジンバブエにある、ビクトリアフォールズへ出発した。天気もよく窓から赤褐色の大地が見られた。しばらくすると右側に遠くビクトリアフォールズの水煙が見え、滝が遠く窓から見えた。右側しか見えないので、ヨハネスブルグでの搭乗手続きの際に右の窓側の席をリクエストすることをお勧めする。(帰りは左側)10:55にビクトリアフォールズへ到着。飛行機から歩いてターミナルビルへ向かい入国手続きを行う。その際に書類に記入して係員に書類とUSD30を支払いビザを取得するが、この手続きもまた格段と遅い。押されたビザは入国スタンプと変わり無い物だ。ちょっと高い。空港を出るとかなり暑く、アフリカらしい風景が広がる。市内までは約30分で一本道を進む。ホテルへ到着した。ビクトリアフォールズホテルで約100年の歴史を持つコロニアル風の建物のホテル。昼食はホテルのテラスで食べたが、ビクトリアフォールズが見える、絶好の場所だ。
昼食後、ビクトリアフォールズの見学へと向かう。5月のこの時期は滝の水量も多く飛散する水しぶきも多い、傘をさしたり、短パンやかっぱを来たりして見学する。まず滝の入り口付近にある1855年に発見し、イギリス女王の名前を命名したリビングストンの像を見て、見学して行くが水しぶきが雨のように降り注ぎ洋服はびしょびしょに濡れる。滝は5つのセクションに分かれ、それぞれにデビルスフォールなどと名称が付けられ、メインフォールは幅が約800m、落差 90mある。ナイアガラやイグアスと共に三大瀑布(滝)の一つに数えられるにふさわしい風貌だ。最後に滝の下流にかかる橋の手前まで行き引き返す。この橋は鉄道と車の共用で橋からバンジージャンプも体験できる。(お好きな人はお試しあれ)

一度ホテルへ戻り、着替えて滝の上流にあるザンベジ川のサンセットクルーズに出発した。乗船後、まずシャンパンで乾杯し、スナックなどが出される。ドリンク類は飲み放題だ。しばらくすると、川の中州にいる象を見たり船が近づいたり、カバが川を泳いでいる姿を見学したりするうちに、日没の時間が近づき停船して夕陽が川に沈む様子を眺める。とてもきれいな夕日で時間が経つのも忘れるほどだ。下船後、サファリロッジを見学し、そこから見える野生動物の水飲み場に象やバッファローが見えた、施設はホテルに比べても遜色なく、全部の部屋にはテラスがありテラスからは水飲み場などが見渡せ野生動物が見られる。宿泊客も欧米人が多く日本人は少ないとのこと。いつか自分も何日か宿泊し、野生の動物たちを見てみたいと思う。夕食は民族ダンスを見ながら食べた。夕食後にホテルへ戻る途中であまりにも星がきれいだったので、バスを止め電気を消して星を眺めたが、日本では見ることが出来ないくらいの無数の星だった。

5月15日:ビクトリアフォールズ→ヨハネスブルグ
朝食後、ヘリコプターにから滝を見学することとなった。ヘリコプターは5人乗りでパイロットの隣に1名、後ろに4名座る。5分ほどで滝の上空に差し掛かり、前日に下から見たときは滝の大きさはよく分からなかったが、上空からみると滝全体の大きさや、上流の川幅、対岸の風景など全体の風景が分かりとても感動した。空港へ向かう途中ガイドの提案により、地元の人たちが住んでいる所を通ることとなった。車窓から見える、市場や路上で遊ぶ子供たちなど素朴な生活を垣間見ることが出来た反面、学校や病院などはまだまだ必要なものが足らないことを教わる。ジンバブエは聞くところ、国自体は貧しくないとのこと何か矛盾を感じた。空港へ付き出国税USD20(設備の割には高い)を支払い、11:45発SA041便にてヨハネスブルグへ出発。13:25ヨハネスブルグ到着。空港からホテルへ向かう車窓は都会そのものだ。自分の中で今回の旅が終わったことを感じた。
南アフリカへは初めて行ったが、全体の印象として、食事はおいしく、ホテルやレストラン等の施設は充実し、トイレなどは清潔。観光地としてもケープタウンのようなヨーロッパ風の町並みと自然、今回行かなかったが、クルーガー国立公園などの野生動物、季節ごとに咲く花、豪華列車の旅など観光資源や見所も豊富だし、隣国のジンバブエやナミビア等と組み合わせればビクトリアフォールズやナミブ砂漠など自然の大きさを感じることが出来る。日本から直行便は無く香港を経由して行くが、札幌や名古屋、福岡など香港までは日本各地から飛んでいるので、全国から行くことも可能だ。百聞は一見にあらずとことわざにあるとおり、初めての私も行って良かったと思うので、ぜひ皆さんにもお勧めしたい国である。
※ 最後に今回の参加者によるアンケートやコメントも添付しますので、皆さんの旅行の参考 にでもして下さい。
羽鳥 貞昭
2002年05月9日

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